子宮内膜症の原因について
女性の場合は、赤ちゃんを授かるために10歳頃から生理が始まって、それが閉経するまで続きます。この生理というのは、妊娠するために必要な体のサイクルであり、その月経血とともに不要となった子宮内膜の組織が体外へと排出されます。
しかし、この生理のときに、何らかの原因によって子宮内膜の組織が体外へと正常に排出されずに、他の器官へと移ってしまうことがあります。そうしますと、他の場所に移ってしまった子宮内膜組織が、生理のサイクルとともに出血や炎症などを引き起こしてしまい、それが悪化してしまうと子宮内膜症となってしまいます。
● 生理のサイクル
1、卵子の成熟とともに、赤ちゃんを育てるために子宮内膜が厚くなってきます。
2、卵子が排卵されて子宮内膜が不要になると、不要となった子宮内膜は自然と剥がれ落ちて、月経血とともに体外に排出されます。
※ この時に、子宮内膜の組織がうまく排出されずに他の器官に移動してしまうと、子宮内膜症となってしまいます。
子宮内膜症の症状
子宮内膜症というのは、子宮の内側にあるべき子宮内膜組織が、それ以外の器官に移ってしまう病気です。そして、その移った先で子宮内膜の組織が増殖してしまいますので、生理のサイクルとともに出血・剥離が起こります。
本来であれば、このときに月経血と一緒に体外へと排出されるのですが、子宮以外の器官に移っているため、生理として一緒に排出することが出来ません。そうしますと、その場所に出血した血液などが徐々に溜まっていってしまうため、病巣が膨らんだりするだけにとどまらず、炎症や癒着まで引き起こしてしまいます。
● 子宮内膜が移りやすい場所
この子宮内膜症の移動については、卵管や卵巣、腹腔内といった様々な場所に移動してしまいます。とくに、卵管や卵巣といった妊娠と関係のある器官に移ってしまうと、卵巣から子宮への通路がふさがれて、不妊症となってしまう場合もあります。
● チョコレート嚢腫について
このチョコレート嚢腫というのは、卵巣内部で子宮内膜症が発症してしまい、その卵巣で出血を繰り返してしまうという病気です。それにより、卵巣の内部にドロドロとした古い血が溜まってしまい、卵巣が腫れたり炎症を引き起こしてしまいます。
また、初期の頃では、あまり自覚症状もなく見落としがちなのですが、チョコレート嚢腫が悪化するにつれて、痛みや腹部膨満感などの自覚症状がでてきます。そして、このような嚢腫については、幅広い年齢層で発症するようです。
子宮内膜症の治療
まず、この子宮内膜症の検査方法としては、超音波検査や血液検査・CTなどがあります。そして、その後の治療方法としてはホルモン療法を行って治療したり、子宮内膜組織が移った場所によっては、手術によって病巣を摘出してしまうこともできます。ただ、この子宮内膜症という病気は、非常に再発しやすい病気でもありますので注意が必要です。
● 薬物療法による治療
子宮内膜症は、月経のサイクルのたびに悪化していく可能性がありますので、まずは、薬物を使って意図的に生理をとめて月経のない状態にします。そして、生理を止めている間に、炎症を鎮めながら逆流してしまった血液が体に吸収されるのを待ちます。また、このような薬物療法には 擬妊娠療法 や 擬閉経療法 などがあります。
● 手術療法による治療
手術療法には、患部を直接見て治療することが出来るという利点がありますが、入院が必要となったり術創が出来てしまうなどの不利な点もあります。また、開腹せずに腹腔鏡で手術を行う場合には、入院期間も比較的に短く、傷痕もあまり目立ちません。ただ、子宮内膜症が悪化している場合には、腹腔鏡手術では治療できないことがあります。
