精子障害による男性不妊
男性不妊症の原因を大きく分けますと、精子の製造に問題があるために、精子の奇形率や運動率が低下していたり、精子の数が減少しているなどが原因となっている場合と、インポテンツ・EDなどによって勃起機能に障害が出ている場合とがあります。ここでは、おもに精子を作る機能に障害がある造精子機能障害について解説しています。
また、このような造精子障害が重度となってきますと、通常以上に精子の奇形率が多くなってきたり、前進運動をしない精子が現れたり、精子が全く製造されなくなるなど症状が出ますので、当然ながら妊娠率も非常に厳しくなってしまいます。
様々な精子の病気
造精子機能が正常かどうかを調べるために、まずは、精液検査を行います。その検査方法としては、1週間ほど禁欲生活を送ってから精液を採取してその状態を調べます。
健康な男性であれば、精液の量は2ml以上あり、1ccの精液あたりに7,000万から1億個の精子が存在し、70%以上の精子が元気に運動しています。これに対して、精子の濃度が1ccあたりに2,000万個以下しかいなかったり、精子の運動率が50%以下などの場合ですと、自然妊娠することが難しくなってしまいます。
◆ 精子減少症
精子減少症とは、精子の数が正常値より少ない状態です。精液1ml中に、精子の数が2,000万匹未満の場合が精子減少症にあたります。
◆ 乏精子症
乏精子症とは、精子が少なくなっている状態です。精液1ml中に、精子の数が1,000万匹未満の場合が、乏精子症になります。
◆ 無精子症
精子の数の減少が問題となる症状の中でも、一番重い状態です。この無精子症とは、精液の中に、精子が1匹もいない状態のことを言います。主な原因としては、睾丸が精子を正常に作ることが出来ない場合や、正常に作られていても精子を運ぶ精管が詰まっている場合などが上げられます。
◆ 精子奇形症
精子奇形症とは、奇形の精子が多い状態の事です。精子の正常形態率が、30パーセント未満の場合が精子奇形症になります。
◆ 精子無力症
精子の運動量が50パーセント未満の場合を精子無力症といいます。これに対して、精子がまったく動いていない場合を精子不動症といいます。
◆ 閉鎖性無精症
精管の一部が欠けていたり極端に狭くなっているため、精子が精管を通過できない状態のことを言います。
◆ 逆行性射精
逆行性射精とは、精液を射精するときに精液がペニスのほうへ流れずに、膀胱の方へと流れていってしまう状態のことを言います。おもな原因としては、正常ならば射精時には閉じているはずの膀胱の一部 (膀胱頸部) が開いたままになっており、精液が膀胱に逆流してしまうといった場合などがあります。この逆行性射精になってしまうと、射精される精液量が減少したり、まったく射精されないことがあります。
◆ 精巣上体炎
精巣上体炎とは、性行為による感染などが原因となって精巣上体が炎症を起こし、精管を塞いでしまっている状態です。感染症がおもな原因ですので、治療法としては、尿路感染症に有効なペニシリン系(ユナシンなど)、セフェム系(セフゾンなど)、ニューキノロン系(クラビットなど)などの抗生剤を投与して治療します。
