体外受精について
不妊治療の一つに、体外受精という方法があります。これは、卵子と精子を人工的に受精させて、その受精卵を子宮に戻すと言う不妊治療です。このような体外受精を行う目安としては、卵管が卵子を捕まえられないと言う ピックアップ障害 や、精子の運動率が悪いために受精できないと言う 受精障害 がある場合、また、今までに人工授精を行ったけれど、妊娠できなかった場合などがあります。
● 体外受精の成功率
体外受精を行った場合の妊娠成功率については、平均で15〜20%程と言われています。「 受精卵を戻すんだから、確実に妊娠するのでは? 」と思われるかもしれませんが、受精卵を子宮に戻しても、うまく着床することが出来なかったり、受精卵の成長が途中で止まってしまうことがあるためです。さすがに生命の神秘は、一筋縄ではいかないようです。
● 体外受精の費用
体外受精による不妊治療は、健康保険の適用外となっています。そのため、自費診療となってしまいますので、費用も割高となっています。また、体外受精を行うときの費用については、病院によっても差はありますが、大体、25〜35万円程のようです。
体外受精の方法について
● 体外受精の準備
体外受精を行うためには、元気で健康な卵子が必要不可欠です。そのため、体外受精を行う前に、卵子の準備をすることから始まります。まずは、排卵誘発剤などを使って卵の成熟を促すのですが、知らない間に排卵してしまわないように、スプレーキュア等を使用して排卵を調節しながら実施します。
● 卵の採取
卵の採取については、成熟した頃を見計らって行います。また、採取の方法としては、超音波で位置を確認しながら医療用の針を卵巣に刺して、卵胞から卵を採取します。
● 精子の選別
体外受精に使う精子については、当然ながら、元気で生きが良い精子が最適です。そのため、男性から採取した精液は、洗浄した後にスイムアップ法などによって選別し、残った精子を体外受精に使用します。
スイムアップ法
このスイムアップ法と言うのは、精子の選別方法の一つです。また、その方法についてですが、精液を遠心分離機にかけますと、だんだんと濃い精子液が分離して来ます。そして、その分離した精子液を培養液に入れておきますと、元気な精子が培養液の上の方に集まって来ますので、その精子を体外受精で使用するという方法です。
● 体外受精の実施
まずは、採取した卵子と精子を受精させて受精卵にし、その後、培養して育てます。また、人工的に受精させる際には、一つの卵子に5万匹ほどの精子を掛け合わせて受精させることが多いようです。その後、無事に受精できた卵については分割を始めますので、翌日あたりには受精卵として確認することが出来ます。
また、受精してから2日ほど経ちますと、受精卵の分割が進んできて、2〜8分割した胚というものに成長します。そして、最後に分割が進んだ胚を子宮内に戻すのですが、子宮に戻すのは、その培養している胚の中でも良好なものを2つほど選んで子宮に戻します。良い胚を戻すことによって、少しでも着床率を上げようという思いからです。
