多嚢胞性卵巣症候群について
まず始めに、女性の卵巣の中には卵細胞というものがあります。さらに、この卵細胞は卵胞という袋に包まれていて、卵細胞が成長するにしたがって卵胞も大きくなっていきます。そして、最終的には、卵細胞を覆っている卵胞が破れて排卵されるという仕組みです。
そして、多嚢胞性卵巣症候群というのは、卵巣の中に卵胞ができて、それが成長するまでは一緒なのですが、なぜか卵胞が破れずに排卵されないという状態です。また、一見、健康そうに見える女性でも、多嚢胞性卵巣になっている場合があります。
● 多嚢胞性卵巣の検査
まずは、超音波などを使用して、卵巣の状態を確認します。そうしますと、排卵できなかった卵胞が卵巣の表面に見えてきます。また、この卵胞の袋が繋がってネックレスのように見えるので、これをネックレスサインと呼ぶこともあります。
多嚢胞性卵巣症候群の症状
● 生理不順や無月経
多嚢胞性卵巣症候群というのは、卵胞が破れないために排卵が起こらないという病気です。そのため、かなりの確立で不妊症の原因となってしまいます。また、排卵が定期的に起こらないために、生理不順や無月経などの症状が出ることもあります。
● 男性ホルモンの増加
多嚢胞性卵巣になっていますと、体内のホルモンバランスが乱れてきて、男性ホルモンの濃度が高くなる場合があります。そのような場合ですと、声が低くなってきたり、乳房が減少したり、ひげが生えてくるなどの男性化と呼ばれる症状が出ることもあります。
多嚢胞性卵巣の原因
多嚢胞性卵巣症候群の原因についてですが、医療技術が進歩している現在でも、はっきりとした原因は解明されておりません。ただ、考えられる原因として、いくつかの諸説はあります。例えば、男性ホルモンや黄体化ホルモンなどのホルモンバランスの乱れによって、卵巣の機能に障害が出るために多嚢胞性卵巣となっていたり、遺伝的なものや肥満が原因となっているのではと考えられています。
多嚢胞性卵巣の治療
多嚢胞性卵巣については、原因がはっきりしていないため、根本的な治療法は分かっておりません。そのため、主な治療法としては、定期的に月経が来るように治療したり、手術によって卵巣の表面に小さな穴を開けて、排卵を促すと言う治療が行われます。また、妊娠を望む場合や望まない場合でも治療法が変わってくるようです。
● 妊娠を望む場合の治療
妊娠を望まれる場合には、何はともあれ排卵させる必要がありますので、おもに排卵誘発剤を使用して排卵を促します。ただ、卵巣の中には、排卵できなかった卵胞がたくさんあるため、その状態で排卵誘発剤を使用しますと、排卵できなかった多くの卵胞が刺激を受けて、卵巣が腫れてくることがあります。また、多胎妊娠の原因にもなります。
このように卵巣が過敏に反応することを 卵巣過剰刺激症候群 と言いますが、この卵巣過剰刺激症候群については、未然に防止することが出来ません。そのため、治療中に異常を感じた場合には、すぐに病院で受診されることをお勧めします。
● 妊娠を望まない場合の治療
すぐに妊娠を望まれている場合でなければ、月経を周期的に起こすようにする治療を行います。また、その場合の治療法としては、カウフマン療法とよばれるホルモン治療を行ったり、低用量ピルなどのホルモン剤を使用して治療することが多いです。
